【相続手続⑬】相続人は誰になるの?~配偶者・子・親・兄弟姉妹の関係を整理する~

家族写真と書類を見ながら、誰が相続人になるのか考える女性

はじめに

親が亡くなったあと、遺産分割の話し合いを始めようとして、多くの人がまずつまずくのが「そもそも相続人は誰なの?」という点です。

――こうした疑問は、多くの方が同じように感じています。
この記事では、法律の細かい条文ではなく、「うちの家族の場合はどうなるのか」がイメージできるように、相続人の基本的な考え方を整理します。

結論:相続人は「配偶者」+「順位のある親族」

まず、結論からお伝えします。
法律で相続人になる人は、大きく次のように分けられます。

つまり、基本的な仕組みは「配偶者は常に相続人」「そのほかの親族は順位によって決まる」というものです。
なお、配偶者がいない場合は、順位のある親族だけが相続人になります。

なぜ、このような仕組みになっているの?

配偶者以外の相続人について、第1順位の子、第2順位の直系尊属、第3順位の兄弟姉妹の順に示した図解

相続人の範囲は、亡くなった方との身分関係に基づいて法律で定められています。
配偶者は、亡くなった方と生活を共にしてきたパートナーとして、常に相続人になります。
そのほかの親族については、子、直系尊属、兄弟姉妹という順番が決められており、上の順位の人がいる場合、下の順位の人は相続人になりません。
家族の形は人それぞれですが、このような共通のルールによって、誰が相続人になるのかを判断できるようになっています。

詳しく解説:家族構成ごとのパターン

具体的なケースで見てみましょう。

ケース1:配偶者と子どもがいる場合

配偶者と子どもが相続人になります。

この場合、亡くなった方の父母や兄弟姉妹は相続人になりません。最も一般的なパターンのひとつです。

ケース2:配偶者はいるが、子どもがいない場合

亡くなった方の父母が健在であれば、配偶者と父母が相続人になります。
父母がすでに亡くなっていても祖父母が健在であれば、配偶者と祖父母が相続人になります。
子や直系尊属がいない場合は、配偶者と兄弟姉妹が相続人になります。

ケース3:配偶者も子どももいない場合

父母などの直系尊属がいれば、直系尊属のみが相続人になります。
直系尊属もいない場合は、兄弟姉妹が相続人になります。

ケース4:配偶者がいない場合

配偶者がいない場合は、子、直系尊属、兄弟姉妹の順位に従って相続人が決まります。

配偶者、子、父母、祖父母、兄弟姉妹の有無による法定相続人の組み合わせをまとめた表

よくある勘違い

ここで、実務上よく見られる誤解を整理しておきます。

✅「同居していた長男が全部もらえる」わけではない

同居や介護をしていたかどうかと、相続人になるかどうかは別の問題です。
長男だから、同居していたから、介護をしていたからという理由だけで、当然に遺産のすべてを相続するわけではありません。
まずは、法律上の相続人が誰なのかを確定させる必要があります。

✅「離婚した元配偶者」は相続人ではない

離婚が成立している場合、元配偶者は相続人になりません。
一方、元配偶者との間に生まれた子や、前の結婚での子も、亡くなった方の子であることに変わりはなく、原則として相続人になります。

✅ 養子も相続人になる

法律上の養子縁組をしている養子は、実子と同じく第1順位の相続人になります。
「血がつながっていないから相続人ではない」というわけではありません。

✅ 疎遠な兄弟姉妹も相続人になることがある

何十年も連絡を取っていない兄弟姉妹でも、子や直系尊属がいない場合は、正式な相続人になることがあります。
兄弟姉妹が先に亡くなっている場合は、甥・姪が相続人になることもあります。

実務上のポイント:戸籍を確認しないと分からない

ここで重要なのが、「相続人が誰かは、思い込みではなく、戸籍を確認して判断する」という点です。
例えば、戸籍を調べることで、次のような事実が分かることがあります。

こうした情報は、現在の家族が知らないこともあります。
そのため、亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍を取り寄せ、子どもの有無や婚姻歴などを確認します。
必要に応じて、相続人となる人の戸籍も集めます。
第1シリーズでお伝えした「戸籍集め」が必要になるのは、まさに相続人を正確に確認するためです。
思い込みで遺産分割の話し合いを進めてしまうと、あとから「実はほかにも相続人がいた」と分かり、それまでの話し合いがやり直しになることがあります。

まとめ

  • 配偶者は、原則として常に相続人になる
  • そのほかの相続人は「子→直系尊属→兄弟姉妹」の順位で決まる
  • 上位順位の相続人がいる場合、下位順位の人は相続人にならない
  • 子や兄弟姉妹が先に亡くなっている場合は、代襲相続が発生することがある
  • 同居や介護の有無だけで、相続人が決まるわけではない
  • 元配偶者は相続人にならないが、前の結婚での子は原則として相続人になる
  • 養子も、法律上は子として相続人になる
  • 相続人は、戸籍を確認して正確に判断する必要がある

「うちは誰が相続人になるんだろう」と感じたら、まずは戸籍を取り寄せ、家族関係を正確に確認することから始めましょう。
それが、次のステップである遺産分割の話し合いを、スムーズに進めるための土台になります。

相続人を整理した家族関係図を見て、納得した表情を浮かべる女性

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相続手続きは、何から始めればよいか迷いやすいものです。
戸籍集めや財産確認、今後の進め方で不安があるときは、ひとりで抱え込まず、お気軽にご相談ください。
状況をお聞きしながら、必要な手続きや進め方を一緒に整理いたします。

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