【相続手続⑫】遺言書が見つかったらどうする?

はじめに
親が亡くなったあと、遺品を整理していたら「遺言書」らしきものが出てきた。
そんなとき、多くの方が同じ疑問を持ちます。
「これ、勝手に開けてもいいの?」
「本物かどうか、どうやって確認するの?」
「見なかったことにしたらダメなの?」
この記事では、遺言書が見つかったときに何をすればよいのか、順を追って分かりやすく説明します。
読み終えたときには、「まずこれをすればいいんだ」と分かる状態を目指します。
結論:まず「開けずに」種類を確認する
結論からお伝えすると、遺言書を見つけたら、その場で勝手に開封しないことが最初のポイントです。
そして、その遺言書が「自筆証書遺言」なのか「公正証書遺言」なのかによって、次にやるべきことが変わってきます。
なぜ勝手に開けてはいけないの?

遺言書の中には、自宅で保管されていたタイプ(自筆証書遺言)のものがあります。
これは、家庭裁判所で「検認」という手続きを受ける必要があります。
検認とは、簡単に言うと「この遺言書は、この状態で確かに存在していました」ということを裁判所に記録してもらう手続きです。
中身が正しいかどうかを判断するものではなく、あくまで「現状の確認」です。
もし先に開けてしまうと、法律上のペナルティ(過料)が科される可能性があります。
また、「本当は違う内容だったのでは」と相続人同士で疑いが生まれ、揉めごとの原因になることもあります。
トラブルを避けるためにも、まずは「開けない」が正解です。
遺言書には主に2つの種類がある
遺言書には、大きく分けて2つのタイプがあります。
自筆証書遺言
本人が手書きで作成し、自宅の引き出しや金庫などに保管されているタイプです。
このタイプは、先ほど説明した「検認」が必要になります。
公正証書遺言
公証役場で、公証人という専門家が関わって作成されたタイプです。
原本が公証役場に保管されているため、検認は不要です。
見つかった書類が「正本」または「謄本」と書かれていれば、こちらの可能性が高いです。
見分け方に迷ったときは、書類の見た目やタイトルを確認してみてください。
「公正証書」という文字があるかどうかが、ひとつの目安になります。

よくある勘違い
「遺言書は見つけたらすぐに内容通り進めていい」と思われがちですが、これは誤解です。
自筆証書遺言の場合は、検認を済ませてからでないと、銀行手続きや不動産の名義変更に使うことができません。
また、「家族だから開けても問題ないだろう」と考えて中身を確認してしまう方もいますが、これも避けたい行動です。
悪気がなくても、あとで「改ざんしたのでは」と疑われる火種になりかねません。
見つけた遺言書は、封を開けずにそのまま保管し、次のステップに進むことが大切です。
実務上のポイント
自筆証書遺言の検認手続きは、家庭裁判所に申立てをしてから、実際に検認が行われるまで1か月前後かかることが一般的です。
相続手続き全体のスケジュールにも影響するため、できるだけ早めに動き出すことをおすすめします。
なお、法務局に自筆証書遺言を預ける制度(自筆証書遺言書保管制度)を利用していた場合は、検認は不要です。
この場合は、法務局への確認が最初の一歩になります。
まとめ
- 遺言書を見つけたら、まずは開封せずに種類を確認する
- 自筆証書遺言なら、家庭裁判所での検認が必要
- 公正証書遺言なら、検認は不要でそのまま手続きに進める
- 迷ったときは、書類に「公正証書」の記載があるかを確認する
遺言書が見つかったこと自体は、相続手続きを進めるうえで大切な情報です。
慌てず、正しい順番で進めていきましょう。

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相続手続きは、何から始めればよいか迷いやすいものです。
戸籍集めや財産確認、今後の進め方で不安があるときは、ひとりで抱え込まず、お気軽にご相談ください。
状況をお聞きしながら、必要な手続きや進め方を一緒に整理いたします。



