【相続とお金の手続⑥】銀行に連絡するとき、何を準備する?

はじめに:銀行への連絡は、何から始めればいい?
親が亡くなり、銀行に連絡しなければならないと分かってはいるものの、
「電話をかけたら、何を聞かれるんだろう」
「連絡する前に、何を準備しておけばいいんだろう」
そんな不安から、つい連絡を後回しにしてしまう方もいらっしゃいます。
この記事では、銀行に最初の連絡をするときに準備しておきたい情報を、順番に分かりやすく説明します。
読み終える頃には、「これなら連絡できそう」と思っていただけるはずです。
結論:最初の連絡では、基本情報を準備しておく
銀行へ最初の連絡をする段階では、戸籍謄本や遺産分割協議書などを、すべてそろえておく必要はありません。
まずは、次の情報を確認しておきましょう。
確認事項
- 亡くなった方の氏名・生年月日・住所
- 亡くなった日
- 銀行名・支店名・口座番号
- 通帳やキャッシュカード
- 連絡する人の氏名・住所・電話番号
- 亡くなった方との関係
支店名や口座番号などは、分かる範囲で構いません。
最初の連絡は、「亡くなったことを銀行に伝え、今後の手続きと必要書類を確認する」ためのものです。すべての書類を完璧にそろえてから連絡する必要はありません。
なぜ、最初から戸籍をそろえなくてもよいの?

銀行への最初の連絡は、相続手続きの申出をする段階です。
銀行は、亡くなった方の取引内容や相続の状況などを確認したうえで、今後の手続きや必要書類を案内します。
戸籍謄本、印鑑登録証明書、遺言書、遺産分割協議書などが必要になるのは、主に預金の払戻しや名義変更などを進める段階です。
必要書類は、遺言書の有無や遺産分割の状況、銀行によっても異なります。
先に自己判断ですべて集めるより、まず銀行の案内を受けてから準備する方が確実です。
電話・Web・窓口など、銀行ごとに受付方法が違う
銀行への連絡方法は、電話や窓口だけとは限りません。
銀行によっては、相続専用の電話窓口やWebフォームを用意しています。
まずは、その銀行の公式サイトで「相続手続き」や「口座名義人が亡くなった場合」といった案内を確認しましょう。
電話であれば、たとえば次のように伝えれば十分です。
「父が亡くなりました。相続手続きについて教えてください」
「〇〇支店に口座があると思います」
「私は亡くなった人の長男です」
専門用語や法律的な表現を使う必要はありません。
銀行の担当者から質問されたことに、分かる範囲で答えれば大丈夫です。
通帳やキャッシュカードは「あれば」準備する
通帳やキャッシュカードが見つかっていれば、支店名や口座番号を確認できるため、連絡がスムーズになります。
銀行からの郵便物、取引明細書、インターネットバンキングに関する書類なども、取引銀行を確認する手掛かりになります。
ただし、通帳などが見つからないからといって、相続手続きができなくなるわけではありません。
まずは銀行に事情を伝え、どのような方法で口座を確認できるか相談してください。
支店や口座番号が分からない場合
「どこの支店に口座があるのか分からない」
「通帳が見つからず、口座番号も分からない」
このような場合もあります。
対応方法は銀行によって異なります。
最寄りの支店や相続専用窓口に連絡し、支店名や口座番号が分からないことをそのまま伝えましょう。
本人確認書類や戸籍などの提出を求められることもあります。
電話だけで口座の有無や残高を教えてもらえるとは限らない点には注意してください。
よくある勘違い
戸籍を全部そろえてから連絡しないといけない?
最初の連絡前に、出生から死亡までの戸籍をすべて集めておく必要はありません。
必要となる戸籍の範囲は、相続関係や銀行によって異なります。
まず銀行に連絡し、案内された内容を確認してから集めましょう。
連絡すると、すぐに口座が凍結される?
銀行が口座名義人の死亡を知ると、その口座の入出金などは原則として制限されます。
これは、相続財産である預金を守り、一部の人が勝手に引き出すことによるトラブルを防ぐためです。
一方で、公共料金、家賃、クレジットカードなどの口座振替や、年金などの振込みにも影響する場合があります。
死亡後に継続する支払いについては、引落口座や支払方法の変更も確認しておきましょう。
代表相続人を決めてからでないと連絡できない?
最初の申出の段階で、必ずしも代表相続人が正式に決まっている必要はありません。
ただし、銀行によっては、連絡する人と亡くなった方との関係や、今後の連絡先となる人について確認されることがあります。
「誰が正式に手続きを進めるか」については、銀行から案内を受けたうえで、ほかの相続人とも相談しましょう。
実務上のポイント
連絡する前に、家の中を一度だけ確認してみましょう。
通帳、キャッシュカード、銀行からの郵便物などが見つかれば、取引銀行や支店を確認しやすくなります。
ただし、見つからなくても、そこで手続きを止める必要はありません。
「通帳が見つからない」「支店が分からない」と銀行に伝え、必要な確認方法を案内してもらいましょう。
また、銀行によって連絡方法や必要書類は異なります。
ほかの銀行で使った書類が、そのまま別の銀行でも足りるとは限りません。
必ず、それぞれの銀行の案内を確認してください。

まとめ
銀行への最初の連絡では、戸籍謄本や遺産分割協議書をすべてそろえておく必要はありません。
まずは、亡くなった方の基本情報、分かる範囲の口座情報、連絡する人の情報を準備しましょう。
通帳や支店名が分からない場合も、そのことを銀行に伝えて相談できます。
完璧に準備してから動こうとせず、まず銀行の公式サイトで連絡方法を確認し、分かる範囲の情報で最初の申出をすることが、次の手続きへの一歩になります。

相続の銀行手続きは、多くの方にとって初めて経験する手続きです。
「何から始めればよいのか分からない」「自分の場合はどうすればよいのだろう」と不安に感じることもあるでしょう。
銀行手続きについて分からないことやお困りのことがありましたら、ひとりで抱え込まず、お気軽にご相談ください。
お話を伺いながら、一つひとつ状況を整理し、安心して手続きを進められるようお手伝いいたします。



