【遺言③】遺言書は「お金持ちだけのもの」じゃありません

遺言書に何を書けばいいか考え込む人物のイラスト

はじめに

「遺言書を書いたほうがいい」とはよく聞くけれど、実際に何を書けるのか、意外と知らない方が多いのではないでしょうか。

そんな疑問を持つ方に向けて、この記事では遺言書で実現できることを、身近な例を交えながら分かりやすく説明します。

結論:遺言書は「誰に」「何を」「どれくらい」を自由に決められる

遺言書の一番の役割は、自分の財産を誰に、どのように残すかを、自分の意思で決められることです。
法律で決まっている分け方(法定相続)とは違う配分にすることもできますし、家族以外の人に財産を渡すこともできます。

なぜ遺言でそんなことができるの?

法定相続と遺言による相続の違いを示す比較図

本来、亡くなった方の財産は、法律で決められたルール(法定相続分)に沿って相続人で分けるのが基本です。
ただし、これはあくまで「話し合いの目安」のようなもので、絶対的な決まりではありません。
遺言書を残しておくことで、「自分の財産は、自分の意思で分けたい」という気持ちを、法的な形として残すことができるのです。
家族の状況は一軒一軒違います。

そうした個別の事情を反映できるのが、遺言の大きな価値です。

遺言でできることを、具体的に見てみましょう

遺言書で決められることは、大きく分けて次のようなものがあります。

誰に渡すか

家族の中で「誰に、どの財産を渡すか」を指定できます。
たとえば「自宅は長男に」「預金は長女と次男で半分ずつ」といった具合です。

相続する割合を変える

法律上の分け方とは違う割合にすることもできます。
「介護をしてくれた子に多めに」というような希望も、遺言があれば反映しやすくなります。

家族以外の人にも財産を残す(遺贈)

本来の相続人ではない人、たとえばお世話になった友人や、内縁の関係にある人、あるいは団体などに財産を渡すこともできます。
これを「遺贈(いぞう)」と呼びますが、難しく考えず「相続人以外への贈り物」とイメージしていただければ十分です。

認知していない子どもを認める

結婚していない相手との間に生まれた子どもについて、生前に手続きをしていなくても、遺言によって「自分の子どもである」と認める(認知する)ことも可能です。
この場合、その子も相続人としての権利を持つことになります。

遺言でできることの一覧表(財産分与・割合調整・遺贈・認知)

よくある勘違い

「遺言書は財産持ちの人だけが書くもの」というイメージを持つ方が多いのですが、これは誤解です。
財産の多い少ないに関わらず、「自分の意思をはっきり残しておきたい」と思うなら、遺言書には意味があります。
また、「遺言があれば、必ずその通りになる」と思われがちですが、実は例外もあります。
一定の相続人には、最低限保証された取り分(遺留分)があるため、極端に偏った内容の場合は後で調整が必要になることもあります。
この点については、別の記事で詳しく取り上げます。

実務上のポイント

遺言書に「何を書きたいか」がぼんやりとでも見えてきたら、次に大事なのは「誰にどう伝わる書き方をするか」です。
書き方や形式によっては、思ったとおりに実現できないケースもあります。
まずは、「自分は何を、誰に残したいのか」を紙に書き出してみることから始めてみてください。
それだけでも、気持ちの整理になります。

まとめ

  • 遺言書があれば、財産を誰に、どれだけ渡すか自分で決められる
  • 法律上の分け方と違う割合にすることもできる
  • 相続人以外の人(友人など)に財産を渡すこと(遺贈)もできる
  • 婚姻関係のない子を、遺言によって認知することもできる
  • 財産の多い少ないに関わらず、遺言書には意味がある

「自分の財産を、誰に、どう残したいか」——まずはその気持ちを整理することが、遺言づくりの第一歩です。

遺言書に希望を書き込み穏やかに微笑む人物のイラスト

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遺言は、将来の安心につながる大切な準備です。
「まだ早いかな」「何を書けばよいのだろう」と迷われる方も少なくありません。
遺言について不安や疑問があるときは、ひとりで悩まず、お気軽にご相談ください。
お話を伺いながら、ご希望に合った進め方を一緒に整理いたします。

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