【遺言②】遺言がないとどうなる?家族だけで進める相続の話し合い

はじめ
「うちには大した財産もないし、遺言なんて関係ない」
そう思っている方は多いのではないでしょうか。
実は、遺言書がない場合、相続人となったご家族は「誰が何を受け取るか」を、全員で話し合って決めなければなりません。
この記事では、遺言がないときに何が起きるのか、そしてなぜ負担が増えるのかを、実生活のイメージに沿って解説します。
結論:遺言がないと「全員一致」が必要になる
遺言書がない場合、亡くなった方の財産をどう分けるかは、相続人となる方全員で話し合い、全員が合意して初めて決定します。
この話し合いを「遺産分割協議」と呼びます。
一人でも反対する人がいれば、話は前に進みません。
多数決では決められないというのが、大きなポイントです。
なぜ全員の合意が必要なの?

財産は、亡くなった方が生前に「誰に何を渡す」と決めていなければ、相続人全員の共有財産という扱いになります。
自分一人の持ち物であれば自由に処分できますが、複数人の共有財産となると、そう簡単にはいきません。
みんなの物だからこそ、みんなで決める必要がある、というわけです。
これは、家族の仲が良い悪いに関係なく、法律上のルールとして決まっている仕組みです。
必ずしも揉めるわけではない
ここで誤解しないでいただきたいのは、「遺言がない=必ず揉める」わけではないということです。
実際には、家族仲が良く、話し合いがスムーズにまとまるケースもたくさんあります。
「お母さんの家は長男が継いで、預金は姉妹で分けよう」というように、自然と落ち着くことも珍しくありません。
ですから、「遺言がないと絶対にトラブルになる」と過度に不安になる必要はありません。
この話し合い、結局どこで使うの?
「相続人全員で話し合う」と言われても、実際に何に使うのかピンとこない方も多いと思います。
実は、話し合いの内容は「遺産分割協議書」という書面にまとめる必要があり、これがないと次のような手続きが一切進められません。
- 銀行や信用金庫の窓口で、亡くなった方の預金を引き出す、または解約する
- 不動産(家や土地)の名義を、亡くなった方から相続人に変更する
- 自動車の名義変更や、証券口座の解約・移管を行う
たとえば、銀行に「口座名義人が亡くなりました」と伝えると、口座はいったん凍結されます。
凍結を解除して預金を動かすには、相続人全員が合意したことを証明する遺産分割協議書と、全員分の実印・印鑑証明書を提出する必要があるのです。
つまり、「家族で話し合って終わり」ではなく、その話し合いの結果を正式な書面にしなければ、預金にも不動産にも手をつけられない、というのが実際のところです。
よくある勘違い
「家族なんだから、口約束で決めれば十分でしょう」と思われがちですが、先ほどお伝えしたとおり、口約束だけでは銀行の手続きも不動産の名義変更もできません。
良好な関係だからこそ、きちんと書面に残しておかないと、いざ手続きをする段階になって「あれ、これじゃ進められない」と慌てることになります。
実務上のポイント
相続人の中に一人でも連絡が取りにくい方がいると、話し合いが長期化しやすくなります。
特に、普段からあまり付き合いのない親族が相続人に含まれている場合は、早めに連絡を取っておくと安心です。
また、遺産分割協議書の作成には、相続人全員分の実印・印鑑証明書を集める手間もかかります。
話し合いがまとまった後の準備にも時間がかかることを、あらかじめ知っておくと慌てずに済みます。
まとめ
- 遺言がない場合、相続人全員で話し合い、全員の合意で財産の分け方を決める
- 話し合いの内容は「遺産分割協議書」という書面にまとめないと、預金の引き出しも不動産の名義変更もできない
- 必ずしも揉めるわけではないが、書面作成や印鑑証明の準備など、手続きの手間は確実に増える
- 円満に進めるためにも、早めに家族間で情報を共有しておくことが大切
次回は、遺言があると「具体的に何ができるのか」について、詳しく見ていきます。

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遺言は、将来の安心につながる大切な準備です。
「まだ早いかな」「何を書けばよいのだろう」と迷われる方も少なくありません。
遺言について不安や疑問があるときは、ひとりで悩まず、お気軽にご相談ください。 お話を伺いながら、ご希望に合った進め方を一緒に整理いたします。



